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ウェルビーイングな会社を目指して✨

みなさんこんにちは、総務部長です。

近年、ウェルビーイングという言葉をよく目にするようになりました。

ウェルビーイング(Well-beinng)とはwell(よい)とbeing(状態)からなる言葉だと言われています。

世界保健機構(WHO)は、ウェルビーイングのことを

「個人や社会のよい状態。健康と同じように日常生活の一要素であり、社会的、経済的、環境的な状況によって決定される」と紹介しています。

ウェルビーイングの歴史を紐解くと、意外なほど古く、

1925年にカナダの団体が「健康状態」であることを「単なる病からの自由だけではない、ウェルビーイングな状態」と定義したことが報告されています。

つい最近になって生み出された言葉のように思われますが、古くから議論されてきたことに少々驚かされます。

この1925年の報告が起源となり、その考え方をWHOが継承することとなりました。

WHOは1946年のWHO憲章の中で、このウェルビーイングという言葉を初めて取り入れ

「健康とは、病気でないとか弱っていないということではなく、

肉体的にも精神的にも、そして社会的にもすべてがよい状態にあることをいう

Health is a state of complete physical,mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity」

とし、健康の定義としてウェルビーイングを用いることとしました。

その結果、ウェルビーイングという言葉が広く世界に広まることとなったと言われています。

さらに、2015年の国連総会で採択されたSDGsの宣言文には、

どんな社会にしたいかを述べる段落の中で「身体的・精神的・社会的にウェルビーイングな社会」

と目指す方向性が盛り込まれたことで、世の中により浸透していきました。

現在、申し上げるまでもなく、国際社会は「SDGs」を共通目標として、

誰一人取り残さない社会のための17の目標を掲げています。

しかし、「SDGs」が掲げる未来は2030年までとなっています。

まだまだ先だと思っていた2030年はすぐそこなんですね。

そこで、次なる目標として人々の主観的なウェルビーイングを重視した

新たな国際目標をつくっていこうとする動きが日本でも始まっています。

それが、さまざまな国際機関や企業で提唱され始めている

「SWGs(Sustainable Well-being Goals)」であり、「みんなで持続可能なウェルビーイングの状態を目指す」という目標だと言われています。

経済が発展・成熟したいま、モノやサービスがどれだけ売れたかという

経済の豊かさが幸せであるとは限らず、

心の豊かさや幸福を重視する社会が望ましいという価値観が世界に広まってきているといえます。

そのため、「物質的な豊かさ」ではなく、一人ひとりが「実感できる豊かさ」、

いわゆる主観的なウェルビーイングを重要視しようという動きが広まりつつあり、

ウェルビーイングに注目が集まっています。

日本では、2021年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2021」(骨太の方針)で、

政府の各種の基本計画にウェルビーイングに関するKPI(成果指標)を設定することとしました。

各省庁が各分野で国民のウェルビーイングを定期的に測定し、

目標と照らし合わせて取り組みを促進することとなりました。

また内閣府は、2019年度から「家計と資産」「仕事と生活」「健康状態」

「あなた自身の教育水準・教育環境」「社会とのつながり」「子育てのしやすさ」

「介護のしやすさ・されやすさ」など13分野で国民の生活の満足度(ウェルビーイング)を調べる

「満足度・生活の質に関する調査」を行っています。

国民の生活の満足度を把握することで、政策運営に生かすことが目的だとされています。

昨年、令和6年5月21日、環境保全のための政府の取組に関する骨組みである環境基本計画が見直され、

「第6次環境基本計画」が閣議決定されました。

この第6次環境基本計画では、現状の様々な課題を踏まえ、「環境保全」を通じた

「現在及び将来の国民一人一人の生活の質、幸福度、ウェルービーイング、経済厚生の向上」

「人類の福祉への貢献」の実現が目的とされており、

そのために環境収容力を守り環境の質を上げることによって成長・発展できる「循環共生社会」を目指すこととが掲げられています。

環境基本計画は、申し上げるまでもなく、すべての環境分野を統合する最上位の計画として、

目指すべき文明・経済社会のあり方を提示するものだと位置づけられています。

これまでの第5次環境基本計画では、今後の環境政策が果たすべき役割として

「環境政策による経済社会システム、ライフスタイル、技術といったあらゆる観点からの

イノベーションの創出と経済・社会的課題の同時解決を実現することにより、

将来にわたって質の高い生活をもたらす新たな成長」につなげていくことが提示されてきました。

第6次計画では、「新たな成長」を実現するため、

環境・経済・社会の統合的向上を目指す上位の目的として、

「ウェルビーイング/高い生活の質」が初めて掲げられることとなりました。

さらに、昨年8月2日に閣議決定された「第5次循環型社会形成推進基本計画」においても

「ウェルビーイング」は非常に重要なキーポイントして位置づけられています。

循環型社会形成推進基本計画は、循環型社会形成推進基本法に基づいて、

循環型社会の形成に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図る環境施策の重要な基本計画だとされています。

第5次計画では、循環型社会の形成に向けて資源生産性・循環利用率を高める取組を一段と高めるためには、

従来の延長線上の取組を強化するのではなく、大量生産・大量消費・大量廃棄型の経済・社会要素に

つながる一方通行の線型経済から、持続可能な形で資源を効率的・循環的に有効利用する循環経済(サーキュラーエコノミー)への移行を推進することが鍵だということを示しました。

そのうえで、循環型社会形成のドライビングフォースとなる「循環経済」への移行は、

気候変動、生物多様性の損失、環境汚染等の社会的課題を解決し、産業競争力の強化、

経済安全保障、地方創生、そして質の高い暮らしの実現にも資するものと述べています。

とりわけ、循環経済への移行により循環型社会を形成することは、

将来にわたって質の高い生活をもたらす「新たな成長」を実現し、

地上資源基調の「ウェルビーイング/高い生活の質」を実現するための重要なツールだということを示しました。

 このように、我が国の環境施策の基本方針を定める環境基本計画ならびに資源循環施策の方向性を

定める循環型社会形成推進基本計画において、「ウェルビーイング」という概念が

初めて基本的な目標として掲げられたことは非常に画期的なことだと言っても過言ではないと言えます。

企業でもウェルビーイングに対する動きが活発になってきています。

具体的に、企業の経営方針や人材戦略の中にウェルビーイングの考え方を取り入れる企業が増えてきています。

従業員のウェルビーイングを目指し、オフィスの環境を整える企業、賃上げを進める企業など、

従業員の働きやすさを向上させるほか、多様な人材が能力を発揮できる環境を整備することで企業価値を高めることにつなげているようです。

自治体でもウェルビーイングを柱に据えた取組を始めたところが出てきています。

富山県では、ウェルビーイングを県の成長戦略の中心に位置づけ、

ウェルビーイングの実感を把握するため独自の指標を設けています。

県民のウェルビーイングの実感を可視化するほか、政策の立案に活用する見込みだといいます。

また、福岡県福岡市では、働く人のウェルビーイングに取り組む事業者を登録する

「福岡市well-being&SDGs登録制度」を実施。登録されると、

市のホームページなどで事業者名や取組事例が紹介されるほか、

市の融資制度で金利が有利なメニューを選択できるという取組だとされています。

私たち東京エコサービス㈱は2021年度に策定した「中期経営ビジョン」(2021-2025)の中で、

 ■コアビジネスの進化

 ■新たなビジネス領域への挑戦

 ■質の向上と強靭化

の3点を基本方針に、「街にも地球にもやさしい『脱炭素社会・循環型社会』の実現をめざす」ことをスローガンに掲げて事業を推進しています。

コアビジネスの進化とは、プロの技能集団として役割を発揮すること。

具体的には、清掃工場の運転管理受託事業、新電力事業を2本の柱(コアビジネス)として位置づけ、

お客さまの一層の信頼を得るようプロの技能集団として進化していく。

さらに、そうしたことに軸足を合わせて、焼却灰の受託事業等についても確実に対応していく目標を掲げています。

新たなビジネス領域への挑戦として、当社の強みを活かして新たな成長機会や

付加価値の創出にチャレンジしていくことを目標としています。

さらに、質の向上と強靭化を目指して、不確実な環境や未来においても着実な成長を実現すベく、

ESG(環境・社会・企業統治)の視点を一層重視し、

社員ひとりひとりのレベル向上と働きがいのある職場環境の形成に取り組むことを目標として掲げています。

世界全体が混沌とした状態に入ろうとする現代社会ではありますが、

私たちは首都東京が世界一の環境先進都市となることに資するべく、

まさに「ウェルビーイング」な会社」を目指していると言っても過言ではないと言えます。

容易に実現できる課題ばかりではないと思いますが、

私たち東京エコサービス㈱は、これからも現状に満足することなく、不退転の気持ちを持ち、

関係者の皆さまと共に、「ウェルビーイングな会社」を目指して確実に前進していきたいと考えています。

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