焼却灰資源化
焼却灰の資源化とは
「焼却灰の資源化」とは、ごみの埋立処分量の削減による東京都の埋立処分場の延命と、資源の有効活用を目的とする事業です。
23区の清掃工場で可燃ごみを焼却処理した際に発生する灰の多くは、中央防波堤外側埋立処分場及び新海面処分場に埋立してきました。しかし、現在の埋立処分場が限界を迎えると、今後は東京港内に新たに埋立処分場を設けることは困難とされています。
そこで新たな取り組みとして策定されたのが「焼却灰の資源化」です。
東京二十三区清掃一部事務組合では、平成25年度からセメント原料化、令和2年度から徐冷スラグ化の本格実施を開始しており、最終的には23区内の焼却灰発生量のほぼ半分を資源化する計画となっています。
当社は、当事業の管理調整業務を東京二十三区清掃一部事務組合から受託しています。
焼却灰は鉄道、船舶、車両を用いて全国の資源化施設へ輸送しています。
業務一覧
コンテナの運用管理
焼却灰の運搬に使用する容器(コンテナ)を、運搬方法に合わせて準備し、運用を管理します。
コンテナには、鉄道貨物用コンテナと、船舶輸送用コンテナの2種類があり、どちらも焼却灰の安全な輸送のための工夫をしています。
管理調整業務
- 年間の搬出入計画の立案・関係各社との調整
- 清掃工場及び資源化施設のトラブル、天災等による交通機関の遅延等による年間搬出入計画の変更調整
- 各施設で行われる安全で安定的な事業の履行確認
- 関係各社へのヒアリング、当事業の窓口業務
コンサルティング業務
- コンテナの最適な運用に関する技術的提案
- 次年度以降の搬出計画に対する検討、提案
- 関係各社からのヒアリング内容に基づく安全かつ効率的な事業の改善提案
水素濃度測定
焼却灰からは、水素が発生する可能性があります。
コンテナ内部に滞留する水素濃度の測定を行い、その数値が安全な範囲にあることを確認します。
放射能濃度測定
焼却灰の運搬の前に放射能濃度測定を行います。
焼却灰に含まれる放射能濃度を測定し、資源化施設の所在する自治体が事前に取り決めた値以下だった場合のみ、出荷が行われます。
焼却灰を原料とするセメントや徐冷スラグに対しても、また、資源化施設周辺地域の安全に配慮する意味でも重要な作業です。
当社の取り組み
私たちは、エコレールマークの協賛企業になりました。これからも環境負荷低減や循環型社会への貢献のために努めてまいります。
エコレールマークとは?
地球環境にやさしい鉄道貨物輸送を利用し運搬していることがわかるマーク(環境ラベル)です。焼却灰の資源化事業支援業務で利用している鉄道貨物輸送は、トラック輸送に比べてCO2排出量が約1/13で、環境負荷の少ない輸送手段です。